AI活用

【速報】次期学習指導要領の論点整理素案が公表。全教科でAI活用が明記へ

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Teacher’s shiftの堀尾です。昨日、中央教育審議会(中教審)が、次期学習指導要領に向けた「論点整理(素案)」を公表しました。まだ「素案」の段階ですが、方向性を早めに知っておくことは、これからの授業づくりや校務の見通しを立てるうえで大きな意味があります。今日は「ここさえおさえておけば!」というポイントを整理してお伝えします。
※極力客観的にまとめたつもりですが、解釈違いや主観なども混じっている可能性があります。
 あくまで概要を捉える一助としてお読みください。
 最終的な確認はご自身による原本の確認をおすすめいたします。

改訂の基盤となる3つの方向性

次期学習指導要領の基盤として、次の3つの方向性が示されました。

  1. 「主体的・対話的で深い学び」の実装
  2. 多様性の包摂
  3. 実現可能性の確保

この3つを三位一体で推進し、「多様な子供たちの『深い学び』を確かなものに」することが共通理念として掲げられています。目指す子供の姿としては、「自らの人生を舵取りすることができる民主的で持続可能な社会の創り手」の育成が挙げられ、「『好き』(興味・関心)を育み『得意』を伸ばす」ことと「当事者意識を持って自分の意見を形成し、対話と合意ができる」ことを両輪として進めるとされています。

全教科でAI活用が明記。情報教育も大幅拡充

指導要領として初めて、全教科でAIがもたらす影響や学習でのAI活用が明記される見込みです。

偽情報・誤情報やエコーチェンバー現象(閉鎖的な空間・環境により偏った思考が強化されていく現象)といったAI特有のリスクに対応するメディアリテラシーと、AIの「賢い使い手」「創り手」の育成が図られます。
校種ごとの主な変更点は次の通りです。

  1. 小学校:「総合的な探究の時間」(現・総合的な学習の時間から名称変更予定)に「情報の領域」を新設し、情報モラルやAIの特性・リスクを体系的に学ぶ。
  2. 中学校:技術・家庭科から技術分野を分離し、新教科「情報・技術科」(「情報技術」「情報を基盤とした生産技術」の2領域)を創設。授業コマ数は最大で従来の倍増(中1・2年で最大年間70コマ程度、中3で最大35コマ程度)。
  3. 高校・その他:「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」を充実させ、文理を問わずデータサイエンスやAIの基礎的素養を身につけることを目指す。

「調整授業時数制度」で学校に裁量と余白が生まれる

年間の標準総授業時数(小4〜中3で1015コマ)の全体枠は維持したまま、各学校の判断で対象教科の標準授業時数を最大15%程度削減・調整できる「調整授業時数制度」が創設されます。

生み出した時数は、重点教科への上乗せや新教科の開設のほか、探究学習などを行う「学習枠」、教員の授業改善・研究のための「研究・研修等枠」(最大35コマ程度)に充てられます。あわせて、知識・内容の精選や教科書のスリム化も行われ、教師と児童生徒の双方に教育課程上の「余白」を生み出すことがねらいです。

多様な子供たちへの配慮も

不登校児童生徒については、校内外の教育支援センター等に通う子を対象に、個別の指導計画に基づく「特別の教育課程」が創設されます。学び直しや不登校の実態に合わせた指導・授業時数を設定でき、従来の評価基準による固定化(「1」や「-」)を避け、本人の意向や努力を認める学習評価も可能になります。

また、特異な才能(ギフテッド)を持つ子については、通常の教育課程だけでは対応が難しい場合に、高度な個人探究や高校・大学・研究機関での講義受講を可能とする「特別の教育課程(部分早修)」が創設されます。

いつから始まる?実施スケジュール

  1. 全面実施:小学校は2030(令和12)年度、中学校は2031(令和13)年度から。高校は2032(令和14)年度から学年進行で順次実施。
  2. 先行実施・経過措置:「調整授業時数制度」、不登校・特異才能の特別課程は2028(令和10)年度から先行実施。情報教育(「情報の領域」「情報・技術科」等)は2028〜2029年度から段階的に先行実施・経過措置。

私が思うこと

今回の素案で特に共感したのは、AIの普及に対する懸念を示しながらも、AIを否定するのではなく、「人間ならではの力を活かして、自分で人生を舵取りする力」にフォーカスしている点です。

また、紙かデジタルか、デジタルかリアルか、ではなく「デジタルの力も使ってリアルな学びを支える」というバランス感覚が重要だとも示されています。

「便利だから」でも「危険だから」でもなく、
AIを含め、身の回りの環境に対して自分がどう考え、判断し、行動していくか。

AI時代だからこそ、こうした人間ならではの力に光が当たっているのだと感じます。
私が発信している「私が先、AIは後」「手綱を握るのはいつも自分」という考え方とも重なっているような気がしています。

まとめ

まだ「素案」の段階なので、今後の議論で内容が変わる可能性はあります。ただ、「全教科でAI活用が前提になる」「学校に裁量と余白を生む制度ができる」という2つの方向性は、今のうちから頭に入れておく価値があります。特に情報教育の先行実施は2028年度からと、思ったより早いタイミングです。続報が入り次第、またお伝えします。

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